No.12 「ガブリエル・シャネル」 2009/12/30
【 Magazine 】 MASHA / N.Komatsu Couturiere
「i-masha 」をご覧の皆様、こんにちは。
一年が過ぎるのは早いですね。皆さんにとって2009年はどんな一年でしたか?
私の師走は毎年あわただしく過ごすことになってしまいます。いつも気になっていたことや、面倒で後回しにしていたことを今年中にやり終えたいと思い、無理なスケジュールを立ててしまうからです。
普段から、ちゃんとしておくとよいのに、師走にバタバタとしてしまうのです。それでも何とか、いつも通りに年の瀬を迎えられそうです。
今年は「ココ・シャネル」についての本をたくさん読みました。映画も観にいきました。
きっかけは大地真央さんが出演していた「ガブリエル・シャネル」の舞台を観賞してからです。こちらは尊敬する方からお勧めしていただいて、衣装は当時のシャネルの洋服を再現したというお話を聞き、すぐチケットをとり観に行きました。
断然シャネルについてもっと知りたいと思い、本屋さんに行き、こんなに読めるのかな?と思うぐらい、シャネルについておいてあった本は全て買って読みました。著者によって同じ事実でも捉え方が違ってどれも引き込まれました。シャネルは八十八歳で亡くなる前日まで仕事をしていたそうです。
彼女の残した一番印象に残った言葉(他にもたくさんありましたが・・)
「わたしという女は覚えられるものは何でも知っているが、覚えられないものは何にも知らない」
彼女は毎日何かを学ぶこと全てを洋服のデザインに結び付けていたように感じた言葉でした。恋愛も出会いも生活全てを。
今年10月に日本を代表する世界のデザイナー・山本耀司さんが率いる「ヨウジヤマモト」が民事再生法を申請し倒産したことをご存知でしょうか?
耀司さんのその後のコメントで「これからもクリエーションしていきます。それしかできないですから」と言っていました。その言葉はシャネルの言葉と私は重なりました。
私はココ・シャネルにもなれないですし、耀司さんにも全然届かないですが、私もずっと死ぬまで洋服をつくり続けたいと思いました。
きっと環境がかわっても、状況が悪くても揺らがず、作り続けていける気持ちがもてた2009年でした。
来年は明るい色の洋服から店頭に並びます。久しぶりにゴブラン織りでコートを作ります。素敵なイタリア製のゴブラン織りを見つけました。
あとすごく綺麗な生地を見つけました。チェック柄で、ガーゼのように薄い生地が3枚重なっている生地で、真ん中の生地にお花がプリントされていて、そのお花が透けて見えるのです。くもりガラス越しにお花を見ているようです。しかもピンク×赤 カーキ×黄緑 と派手です。こちらもイタリア製で、国産にはない発色が魅力です。1月中旬には新作をお披露目できるかと思います。
今回は今月仕上ったばかりのウエディングドレスの写真をご紹介いたします。
真っ白のドレスは眺めているだけでテンションが上がり、うきうきして、最後に「でも私は着れない」「白のドレスって花嫁さんの特権だなぁ」と思います。ちなみに、ココ・シャネルはウエディングドレスを一枚も作らなかったそうです。
今年は世の中経済状況が良くなく、何だか私も何度も暗い気持ちに引き込まれて、染まってしまいそうになりました。そんなことではいけません。2010年、私の持っている魂と経験を全て注いで洋服を作ります。どうか、来年も応援してください。
皆様、今年一年本当にありがとうございました。
良いお年をお迎えくださいませ。
No.21 「志を高く、そして深く」
No.20 「15周年YEARに向かって」
No.19 「本物のPRIDEをめざして」
No.18 「細ーい糸を辿って」
No.17 「立ち止まらずに作り続けること」
No.16 「デザイナーブログ500回突破♪」
No.15 「MASHA自由が丘10周年」
No.14 「地球人で生きてみる」
No.13 「出会いと別れの季節」
★ No.12 「ガブリエル・シャネル」
No.11 「運命の色」
No.10 「STAY GOLD」
No.9 「すばらしかったキルトの世界・・・」
No.8 「今年も1年ありがとうございました!」
No.7 「真っ赤なカシミヤコート」
No.6 「おしゃれの季節・・・」
No.5 「Wedding Princess Dress」
No.4 「まだ早い?コートを製作中!」
No.3 「みんなで『可愛い』を連呼!」
No.2 「たった2枚のワンピ」
No.1 「パリジェンヌと素敵な生地」